column
2019.01.01 / その他
爆笑カーニバル
「これめっちゃ笑ったんですよぅ」
Web担当の佐藤が半笑いで一枚の画像を持ってきた。
店内掃除中、棚の下からホコリと一緒に
何やらがソロリソロリと歩み出てきた。
ホコリの塊が風で動いた?
いや、ソロリソロリと歩み続けている。
一瞬ギョッとした驚きは、小さな悲鳴を発していた。
でも、よく見てみるとこのヨコ歩きはどうみてもカニだ。
それが分かった次の瞬間、
「なんやこれぇ~ひゃっはー」と
大層バカにした笑い声が店内にこだまする。
どうやらカニが迷い込んできたようだ。
ある種のカニは、
外敵から身を守るために海藻クズなどを体に貼り付けて、
自分をカモフラージュする。
まさにこのカニは、
海藻クズの代わりに店のホコリを大量に身にまとい、
しかも手荷物まで持って、
意気揚々と棚の下からヨコ歩きで出てきたのである。
佐藤のバカにした笑い声は止まらない。
その時の映像がこれだ!
本人、至って真剣に変装したつもりが、
外敵にはバッチリ見つかるし、
ひゃっはーと爆笑食らって、
おまけに動画を撮られてアップされ、
キミが人間なら、一生立ち直れないほどの心のキズを
負ってしまうであろうはずかしめ。
佐藤曰く「お掃除するカニ、カニルンバや!ひゃっはー」
自分の命名の妙に、陶酔したのか、また笑う。
カニにも立派な名前がある。
正式には「モクズガニ」という。
藻屑とは、辞書で調べると「とるに足らないことの意」とある。
身の上がかわいそうすぎて、泣きながら笑える。
マヌケなヨコ歩きが頭から離れない。
カニを見る度、思い出す「爆笑カーニバル」!
モズクガニよ。
「グッジョブ!」