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2019.05.04 / イベント

宇和島練り物工房みよしの『じゃこ天』実演販売

宇和島は豊富にとれる新鮮な魚をつかうじゃこ天の町。

そこで生まれ育った三好さんは、小学2年生の頃、露天で揚げられる熱々のじゃこ天を頬張った思い出を大切にしている。

まさか自分が作ることになるとも思ってもみなかった。と笑う。

地元の水産加工会社に就職し、じゃこ天の製造に20年腕を磨いてきた。
工場とはいえ、じゃこ天の製造は手作り。
その日の原料、すり身の常態など、日々の変化にもすべて対応できる熟練という域にも達してきた自負も芽生えた。

その頃には、家族ができ、養っていくため必死に働いていた。
水産加工会社に勤める傍ら、朝は新聞配達、夜は居酒屋の店員と働きづめの毎日だった。それでもささやかではあるが、家族を守る生きがいに幸せを感じていた。

そんなある日、じゃこ天の製造原料を切らす小さな事件があった。

調味料とは別にいつも入れている白い粉だった。

急場を凌ぐためにメーカーから送られてきたのは添加物の原体、劇物に指定される食品添加物。発がん性の恐れがあるとただし書きに書いてあった。
もちろん、使用基準を遵守し使用する範囲での安全性は問題ないだろう。
しかし、子を持つ親として、大切な人に食べさせるかと心に問うとノーであった。

生活と職人の誇り、何度も天秤にかけながら、葛藤は三好さんを苦しめた。
貧しくても、身を粉にして働いてきたことも、苦労と思うことはなかった。

そんな三好さんの気質が、自分のじゃこ天を作ることを決断したのだと思う。

とはいえ、お金は全くなかった。

機械など必要なものはすべて廃業した同業者から安く譲ってもらい、自分で修理し整えていった。
工業高校を出たことが、初めて役に立ったと、冗談っぽく言う。

じゃこ天の味には苦戦した。

完全無添加ゆえ、納得のいく美味しさになかなかたどり着けなかった。
そんな時、食を見直す発酵の講座に参加し、偶然、甘酒と出会った。
直感的なひらめきで使った甘酒の旨味と香りは、素朴な魚の味を引き立てる相乗効果があることがわかった。

三好のじゃこ天が誕生した。

 

 

 

 

 

 

それから3年、小さいながらも創業し販売を始めた。
小さな町での紆余曲折は、様々なしがらみの中で苦悩も味わった。
最初は売り方もわからず、自分をずっと見てきてくれた方々が支援の気持ちで買ってくれていたと思っている。
その時の有り難さ、感謝は忘れない。
もうダメかと思ったときにも、誰かが買ってくれた。
「創業して今まで一枚もじゃこ天を棄てたことがないんですよ。不思議です。」
それが唯一の自慢なんだと、感謝で潤む目で教えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三好さんの人生を振り返ってみると、宇和島の地で生まれ育ったこと。
工業高校に行ったことも、水産加工会社に就職したことも、起業して眠れない日々を送ったことも、すべてじゃこ天の一枚に繋がっているとしか思えない。

三好さんのじゃこ天の原料は、新鮮なホタルじゃこ、天日塩、甘酒、でんぷん。あとは、真面目に真面目にじゃこ天と向き合ってきた人生の味。

優しくも奥深い三好のじゃこ天。是非。

 

 

 

 

 

 

■宇和島練り物工房みよし
http://jako10.com

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