
column

2018.08.26 / 農作物
野生の日本蜜蜂の2年にわたる営み
「世の中で、人間に一番身近な昆虫は、蜜蜂じゃないかと思うんだ。」
温かな眼差しで、かつ、情熱深く語るのは、さぬき和蜂養蜂㈱ 小島保男さん。

絶滅危惧種と囁かれる日本蜜蜂の蜂蜜は、とても希少価値が高い。
加えて。
小島さんの養蜂技術にも希少性がある。
皆さんは、蜜蜂がいなくなったら、と、考えたことはあるだろうか?
蜂蜜を食べることができない。なんて、実は平和な話ではない。
彼らの働きによって、この自然界が保たれていることを知っているだろうか?
世界の食料の9割を占める数百種類の作物種のうち、
7割は蜂が受粉を媒介している。
私たちの毎日の食事に欠かせない果物・野菜を栽培する農業においても、
果実を実らせるために必要不可欠な受粉。
この受粉が一切なくなると、食糧危機に陥るほどの重要性がそこにある。
本来、蜂という生きものは、
春から秋の約半年にかけてさまざまな花から蜜を採取する。
養蜂家としては、蜂が蜜を集めきる秋に、絞ってしまうのが一番ベストらしい。
蜂は、一定の場所に留まらない生きもので。
環境・気温など様々な悪要因が重なると、
蜜箱の中身を放り出して、そそくさと逃げてしまうからだ。

努力の結晶を、一瞬にして無駄にするのか?
それとも、生命を繋ぐためなのか?
逃げたら、元もこうもない。
蜜箱に他の虫たちが入ってきて、せっかくの蜂蜜も一瞬にして無駄となる。
半年で搾り取る蜂蜜は、圧倒的に効率がよい。
たくさん世の中に出回っている理由のひとつだ。
だが。
小島さんの養蜂は、蜂を見守りながらその生態に寄り添っている。そう感じた。

四季を通しふたたび巡ってきた春を越して、6月~7月に採蜜する。
つまり、厳しい自然環境の中で、一年を生き残り、
2年目に採れる蜂蜜。

採蜜をして、一年寝かせた蜜ではなく、
巣箱の中で蜂とともに自然状態にある2年目の蜜、
これが2年熟成蜂蜜なのだ。
この技法で採蜜することは、全国でも例をみないほど希少なのである。
それが、小島さんの哲学だ。
ギリギリの線で。
最高の蜂蜜を手に入れる。

なぜ、小島さんは、2年熟成にこだわるのか?
最高の蜂蜜って一体何なのか?
蜜蜂は、花から蜜を吸い、一旦、胃の中でキープ。
それを巣へと戻す際、微量な蜜蜂の酵素が入る。
その酵素が入っている期間が長ければ長いほど、熟成期間が長くなる。
というわけだ。
酵素と熟成。
このキーワードが揃えばもう、味噌や醤油の如く、
間違いなく美味しい蜂蜜ができると、小島さんは考えた。
酵素を守るため、そして、酵素を身体に効率よく取り入れるために、
非加熱にもこだわった。
小島さんの仕掛けた巣箱に、
たった一匹の女王蜂が数千匹の働き蜂を引き連れてやってくる軌跡。
2年目に巣箱を開ける瞬間を想像してみても。
もう、ドラマだ。
ワクワク感と緊張感が入り混じる養蜂に、魅了され続ける小島さん。
あくまでも、自然生態に委ねることで質の高い養蜂を。
登りきった時にしか見えない景色。
2年目、巣箱を開けた瞬間。
それが、小島さんの醍醐味かもしれない。
飽くなき探求心をそそる養蜂は、
小島さんの人生そのもののように感じた。
蜜源の少なさを危惧し、最近においては、
蜂のためにも、蜜箱を分散して配置したり、環境への工夫をしている。

畦道に、花の種を蒔いてみたり、環境保護にも力を注ぎたいのだそう。
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一般的な遠心分離機は使わず、垂れみつという技法を使い、
約10日間、ゆっくり引力で垂れ落ちてくる蜂蜜。
完熟フルーツのような甘酸っぱく香り豊かな黄金の一滴。
販売店舗 春日水神市場にてお買い求めいただけます。
*希少ゆえ、数に限りがありますので、何卒ご了承ください。