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2026.10.11 / その他
海が教えてくれた自分らしい生き方 ― 女漁師・さおり丸 濱岡さん ―
海が教えてくれた自分らしい生き方
― 女漁師・さおり丸 濱岡さん ―
瀬戸内海の漁業には、さまざまな漁法があります。
同じ底引き網でも、網の構造や海底との接し方によって、獲れる魚の量も、水揚げ時の状態も大きく異なります。
「イタ漕ぎ」「タイ漕ぎ」「エビ漕ぎ」。
濱岡さんたちが選んだのは、魚への負担をできるだけ抑える「エビ漕ぎ」です。
網の構造や重りを工夫し、魚を傷めず、生きたまま船に揚げる。
手間がかかり、漁獲量も明らかに少なくなります。
それでも、海の中で生きていた魚を、できるだけそのままの状態で届けたい。
その想いが、濱岡さんたちの漁には貫かれています。
そんな濱岡さんが漁師になったのは、今から約5年前。
県が実施する「漁業塾」に自ら応募したことがきっかけでした。
指導する親方となったのは、後に夫となる人。
一緒に船に乗り、海の仕事を覚え、結婚し、子どもが生まれました。
しかし、子育てと長時間の漁を両立することは容易ではありません。
それでも漁師を続ける道として、約2年前、自ら独立することを選びました。
濱岡さんは、いつも「潮」「風」「海の状態」を見ています。
海は人間の予定どおりには動きません。
潮に合わせ、風を読み、魚の命を見つめながら、できることを積み重ねていく。
「海が好きだから、漁師になった」
そう笑顔で語る姿からは、これまでの苦労が偲ばれます。
濱岡さんは、何十年も漁師を続けてきた大先輩たちに囲まれてます。
その先輩の海のうんちくには、いつも新鮮な驚きと喜びをもって聞いている純粋な少女のような濱岡さん。
「エビは目を潰すと死ぬ」
「ワタリガニに挟まれると、一年間も指がしびれる」
「でも先輩漁師は、激痛にも動じず、カニの腕が取れないようにそっと外す」
衝撃の笑いを含む話からも、海への尽きない愛情が伝わってくるのです。
濱岡さんの魚はすでに予約でいっぱいです。
それでも水神市場での販売を決めてくださったのは、漁業という一次産業の火を絶やしたくないから。
適正な価格で取引されなければ、漁師を続ける人がいなくなる。
そうなれば、瀬戸内の地魚を地元で食べられなくなる。
そんな未来にはしたくない。
その想いこそ、濱岡さんの本質にあるのでしょう。
私たちは、もっと海のことを知りたいと思っています。
しかし、それは途方もないことです。
それでも、一人の漁師を知ることは、海を知るきっかけになります。
濱岡さんの魚の向こうには、海に向き合い、自分の人生を切り拓いてきた一人の女性の生きる姿があります。
魚の向こうに、一人の人間がいる。
その人を知ることから、海との新しいつながりが生まれるのだと思います。
そんな濱岡さんが獲る、津田沖のワタリガニ。
津田から約6km沖合。
そこには、身がぎっしりと詰まった極上のワタリガニが獲れる漁場があります。
潮を読み、風を見極めながら獲ってくる、生きたままの獰猛なワタリガニ。
入荷してすぐ市場でボイルし、皆さまにお届けします。
鮮度が命のワタリガニ。
だからこそ、獲れたてをすぐに茹でる。
余計なことはせず、カニ本来の旨味と、ぎっしり詰まった身の美味しさを味わって見てください。


